2024年最初の天体写真撮影

久しぶりの投稿になります。先月は撮影機会がなく撮影ネタが無い状態でした。そしてクリスマス前には海上勤務乗船し年末年始を含めて今月6日まで船で連続勤務となっていたので休暇下船後にやっと陸上での新年になったという感じです。

新年といっても今年は元旦に同じ日本海側の能登半島で震災が発生し日に日に報道でその悲惨さが明らかになってきてとてもめでたいという気持ちにはなれなかったですが。

被災地に対して今の私には寄付による支援とお見舞いを申し上げるしかできませんがさらなる被害が無い事となんとか早く復興できる事を祈るばかりです。

 

この様な2024年の始まりですが今年も天体写真撮影が出来る時はがんばっていきたいと思っています。

さて、休暇となって舞鶴市の自宅に戻ったのですがやはりこの時期の日本海側で綺麗な夜空を見るのは厳しいですね。夜に晴れる日が殆どなくておまけに雪の日も有りです。

そんな中1月11日に超貴重な晴れ日があったのでようやく2024年の初撮りを行う事ができました。

IC405 勾玉星雲、IC410 おたまじゃくし星雲 等

サイトロンのCBPフィルターとIDAS NBZ-Ⅱフィルターで撮影したミックスです。

画像処理にはPixinsightで今話題のBXT AI Ver.4も使用しました。

撮影日:2024年1月11日
各フィルターでの撮影開始時刻と露出時間
サイトロンCBP:18時57分、露出 : 360秒×14枚(84分)
IDAS NBZ-Ⅱ:20時52分、露出 : 360秒×20枚(120分)
撮影地:京都府舞鶴市
撮影ソフト:SharpCap 4.0

鏡筒: Askar 65PHQ、0.75×専用レデューサー(焦点距離:312mm(f4.6))
カメラ:QHY268C(Readout Mode#1Gain:57 OffSet:30 Temp:-8℃)
赤道儀:SkyWatcher EQ6R、極軸合わせ:PoleMaster
ガイド鏡:SVBONY SV165、ガイドカメラ:Cers-C、ガイドソフト:PHD2
その他:SVBONY FW(フィルターフォイール)、ZWO EAF(電動フォーカサー) 

  • 画像処理:Pixinsight(WBPP→SPCC→BXT AI Ver.4→STFとHistogram Transformation)→RawTherapee 5.8(コントラスト、色チャンネル、黒レベル調整)→ GraXpert-win64(勾配補正)

アノテーション
  • IC405 勾玉星雲・・日本書紀での三種の神器のひとつでもある"まがたま"は漢字表記が日本書紀では勾玉、古事記では曲玉となるようです。アノテーションにある英語表記はFlaming star nebula(翻訳ソフトで燃える星雲となりました)。IC405中心付近にある青い星はぎょしゃ座AE星でオリオン座トラペジウム付近で起こった連星系同士の衝突ではじき出されてからここを通過中の逃走星らしいです。写真でもう少し上の位置に来ていればまさに"まがたまの孔"の様に見えるのでしょうが.....。

(⇓ 以前、出雲で購入した勾玉)

  • IC410 おたまじゃくし星雲とNGC1893散開星団 ・・アノテーションを見るとIC410とNGC1893が重なっていますが、大きいサークルがIC410で小さいサークルがNGC1893です。濃い部分がおたまじゃくしに見えますね。NGC1893散開星団 の星々から出る放射やガスの流れ等によってIC410星雲の明暗が出ている様です。
  • IC417(蜘蛛(スパイダー)星雲)とNGC1931(蝿(フライ)星雲)・・IC417蜘蛛が小さなNGC1931 を捕まえようとしているみたいに見えるため「クモとハエ」の関係に例えらたれる事もあるみたいです。
  • NGC1907散開星団 ・・地球からの距離は約 4,500光年となっていますが、星団の星々の年齢は4~5 億年以上と推定されているらしい。Stellariumによると恒星数は50~100個。

参考までに今回撮影したそれぞれのフィルター画像(各同等の画像処理)の比較です。

左:CBP 、中:NBZ-Ⅱ 、右:CBPとNBZ-Ⅱのミックス 

IC2177 カモメ星雲

撮影日:2024年1月12日 撮影開始時刻:00時07分、露出 : 360秒×16枚(96分)
撮影地:京都府舞鶴市
撮影ソフト:SharpCap 4.0
鏡筒: Askar 65PHQ、0.75×専用レデューサー(焦点距離:312mm(f4.6))
カメラ:QHY268C(Readout Mode#1Gain:57 OffSet:30 Temp:-8℃)
フィルター: IDAS NBZ-Ⅱ
赤道儀:SkyWatcher EQ6R、極軸合わせ:PoleMaster
ガイド鏡:SVBONY SV165、ガイドカメラ:Cers-C、ガイドソフト:PHD2
その他:SVBONY FW(フィルターフォイール)、ZWO EAF(電動フォーカサー) 

  • 画像処理:Pixinsight(WBPP→SPCC→BXT AI Ver.4→STFとHistogram Transformation)→RawTherapee 5.8(コントラスト、色チャンネル、黒レベル調整)→Photoshop CS2(色彩微調整) 

カモメ星雲を撮影しだしたM.N頃より風が強くなりだし02時半頃にはPCでの観望場所としているワンボックスの軽自動車がぐらぐら揺れるほどでガイドも乱れまくりとなったので惜しみつつも途中で撤収です。

NBZ-Ⅱフィルターの後CBPフィルターでも撮影予定だったのですがNBZ-Ⅱだけとなり撮影24枚の内、風の影響でなんとか使えたのは16枚だけという結果に...せっかくの貴重な晴れ日も途中から予報以上の強風となって最後まで撮影目標を達成とはなりませんでした。

 

後日から京都府北部の天気は荒れ荒れで今回の陸上休暇もあっという間に終わってしまったので今月の撮影もこれだけとなりました😢

 

番外編

晴明神社に参拝

JR京都駅から市バス9号系統の二条城・西賀茂倉庫行きのバスに乗車して約25分の一条戻り橋・晴明神社前バス停で下車、バス停のすぐ前にある晴明神社に参拝してきました。

晴明神社は名の通り平安時代の最も名の知れた"陰陽師"安倍晴明を祀った神社です。

阿倍晴明は陰陽寮天文博士としても活躍した人物ですので少しでも天文に関する知識が向上出来る様あやかりたいとの思いもこめて参拝しました。

神社のいたる所に五芒星が飾られています。

石碑によるとこの五芒星は安倍晴明公が創めた祈祷呪符の魔除けの印で晴明神社の御神紋となっているとの事。

晴明神社公式HP : https://www.seimeijinja.jp/

銀河鉄道999

晴明神社参拝後、京都鉄道博物館で開催されている銀河鉄道999展を観てきました。

京都鉄道博物館はJR京都駅から嵯峨野線亀岡方面の普通列車に乗車して一駅、梅小路京都西駅で下車してすぐの場所にあります。

銀河鉄道999がTVアニメで放送されたのは1978年から1981年で私が小学生高学年の頃でしたが、おそらく私が宇宙に興味をもったルーツだと思います。

博物館に入場してすぐに999のヘッドマークをつけたC62型蒸気機関車が出迎えてくれました。赤地に黄文字のヘッドマークはTVアニメ版のデザインですね。

博物館1階の奥には黒地に白文字の999ヘッドマークを付けたC62もありました。このヘッドマークは劇場版のデザイン。かっこいいです。

この場所は鉄郎やメーテルに仮装して写真撮影してもらえるフォト撮影サービスの場所にもなっていました。

2階ではパネル展示等があり少年の頃の記憶がよみがえります。

銀河鉄道999銀河鉄道株式会社の大銀河本線を走っており、始発駅は地球のメガロポリス、終着駅はアンドロメダにある機械化母星(星名は作品によって違いあり)です。物語もですが路線設定もすばらしです。小学生の時にこの作品と出会って初めてアンドロメダという系外銀河の名前も知りました。

松本零士先生ありがとうございました。

お昼は博物館内のレストランで『鉄郎の愛する味噌ラーメン』と名付けられたラーメンをいただきました。

人類の口の永遠の友らしいです。

京都鉄道博物館公式HP : https://www.kyotorailwaymuseum.jp/


今回は以上です。番外編に熱が入りすぎましたがこれからも綺麗な天体写真が撮れる事を目指して頑張っていこうと思います。

遅ればせながら本年も宜しくお願いいたします。