Askar 65PHQ 0.75×レデューサー

8月15日の夕方から夜にかけて、台風7号京都府北部の西側を通過🌀

天体撮影どころではない状況です(^^;)

 

今月は10日から休暇後、この台風の影響もあって、なかなかお天気に恵まれないのですが、5日前の8月11日だけは唯一、快晴・風無しという好条件だったので撮影にでかけました。その時の記録です。

 

試してみたかったAskar 65PHQ に0.75×専用レデューサーを取り付けて、焦点距離を416mm(f6.4)→312mm(f4.8)としての撮影を行う事が出来ました。

 

その時のファーストライトでのリザルト画像です。

M24付近 バンビの横顔 、IC1284付近 バンビの首飾り

撮影日:2023年8月11日 撮影開始時刻:22時41分、露出 : 360秒×20枚(120分)
撮影地:京都府舞鶴市
撮影ソフト:SharpCap 4.0
鏡筒: Askar 65PHQ、0.75×専用レデューサー(焦点距離:312mm(f4.6))
カメラ:QHY268C(Readout Mode#1Gain:57 OffSet:30 Temp:-2℃)
フィルター: IDAS HEUIB-II
赤道儀:SkyWatcher EQ6R、極軸合わせ:PoleMaster
ガイド鏡:SVBONY SV165、ガイドカメラ:Cers-C、ガイドソフト:PHD2
その他:SVBONY FW(フィルターフォイール)、ZWO EAF(電動フォーカサー)
画像処理: Pixinsight 、RawTherapee 5.8

画角が広がった事で、今回はバンビの首飾りと呼ばれているIC1284付近も収める事が出来ました。

 

レデューサーを取り付けた事による星像ですが、四隅でも目立った色収差がほとんど無く良好です。また、イメージサークルがΦ44mmフルサイズ対応なので、APS-Cサイズでは周辺減光も無い様です(フラットを撮っていないので厳密には言えませんが、PixInsightのブースト表示をみる限りは周囲までしっかり光源が確保されています)。

 

この画像の『四隅部・中心部・上下左右中央部』の切り出し星像チェックがこちら

PixInsightのブースト表示がこちら

レデューサー無しと比べてもぱっと見、遜色ない感じで、すばらしい結果となり満足です(^_^)。

 

Askar 65PHQ 専用0.75×レデューサーの取り付けとバックフォーカス

鏡筒へは後端よりレデューサーを挿入してレデューサーに付いているM54×ピッチ0,75ねじで締め込みます。

別途アダプター等は必要なく、ねじ込みなのでしっかりと装着できます。

カメラ側はM48×P0.75での接続で、バックフォーカスが接続端面から55mmです。

(M48アダプターを外せばM54×P0,75、バックフォーカス65mmでの取り付けも可能)

 

機材のCMOSカメラ QHY268Cはフランジバックが17.5mm、SVBONY FW(フィルターフォイール)の面間幅24mmなので、カメラ取付アダプターは6mm、5mm、2.5mmを使用して合計55mmのバックフォーカスとなる様に組んであるのですが、カメラフィルターを使用するとこれよりも光路長が伸びてしまいます。

フィルターによる光路長の伸び(mm)は、フィルターの基板厚みをd、フィルターの屈折率をnとしてd×(1-1/n) の公式で求める事が出来るらしいので、今回使用したIDAS HEUIB-II(d=2.5mm、n≒1.5)では≒0.83mmとなります。

現在所持しているフィルターの基板厚みは1.5mm(サイトロンCBP)~2.5mmなので

屈折率を1.5とすると光路長の伸びはフィルターの違いによって0.5mm~≒0,83mmです。

これはあくまで理論値ですので、そこまで厳密に調整する必要があるのかとも思うのですが、やはり心理的にそこに近づけたくなってしまいます。

そこで、0.5mmの硬質塩ビ板(サンデーシート)をサークルカッターで切り取ってシムリングを作製し、レデューサーのカメラ側接続部後端に挿入する事にしました。

これでバックフォーカスの光路長が55.5mmとなります。

QHY268Cはカメラ本体が、製造誤差を加味して+-0.5mmのバックフォーカス誤差を許容できるとの事なので、現在所持フィルターを付け替えても、これでいけるのではないかと思います。

左:挿入した0,5mmシムリング(見やすくする為にドライバーでめくってます)
右:今回の機材構成                           

 

撮影結果の星像も良さそうなので、バックフォーカス55mmが必要な光学系では、この構成でいこうと思います。