航海中の船からスマホでの星空撮影と洋上の落雷

今年の8月は、これから晴れそうという19日からフェリーでの海上勤務に戻ったので休暇中の陸上での撮影機会は11日の1日だけという悲しい結果となりました。

海上勤務での船内に望遠鏡等の機材を持っていくのは現実的ではないので、せめて船上からスマホで星空を撮影できないものかと思い今回iPhoneを固定できる三脚を持って乗船しました。

航海中の船からスマホでの星空撮影

826日の午前3時頃、京都府舞鶴から北海道小樽へ向けての航海で石川県金沢沖を航行中は天候良好で、もう冬の星座オリオン座が昇っきていたので持ってきた三脚とiPhoneを使って撮影してみる事に。

フェリーって夜間航海中は船橋より後方の外部通路及びデッキに保安の為の照明を点けているのでどこもそこそこ明るくて真っ暗な場所はほぼ無いんですよね。
それでも暗めで星がまあまあ見えそうな場所を探して船尾のデッキ上に三脚を置きました。

撮影には今回iPhoneの星撮りカメラさん2というアプリを初めて使ってみました。

星撮りカメラさん2 左:撮影画面 、 右:基本設定画面

このアプリは撮影画面にて撮影モード、ホワイトバランス、ISO感度シャッタースピード、照明モードのそれぞれで細かい設定もできます。

今回はシャッタースピードの設定を最低の1秒及びISO感度は1600にしていたと思います(色々試していたので撮影時の設定記憶があいまい)。

 

その時の合成無し1枚撮りの撮影画像(iPhoneで撮影されたjpeg画像をGraXpert-win64で勾配補正、RawTherapee 5.8でコントラスト微調整しています)

撮影日時:2023年8月26日 03時10分
撮影地:日本海 石川県金沢沖
船速29ノット(時速約54Km/h)で航行中の高速フェリー船上より撮影
カメラ:iPhone14ProMax 三脚固定(設置場所である船体は若干動揺あり)
撮影ソフト:iPhoneアプリ 星撮りカメラさん2 
画像処理: GraXpert-win64 、RawTherapee 5.8

画面下の明るい所は石川県の陸地の明かりです。

 

この船は国内最速の高速大型フェリーで常用航海速力は27~30ノット(時速約50~55Km/h)です。撮影時は29ノット(時速約54Km/h)で航行していました。

また、この時は船速に加えて波が少々あったので、三脚の設置場所自体が若干動揺しています。当然ながら星像がぶれちゃうわけですが、何枚か撮ってみると中にはたまたまぶれの少ない画像が撮れる事もわかりました。

思ったよりは写る!かな?って感じなので今後好条件(天候良し、べた凪で波無し、風の影響少ない)がそろった時にまた色々撮ってみようと思います。

洋上の落雷

東の空のオリオン座を観ていた所、後ろ側の西の空がビカビカまぶしく光りだしました。雷が発生して、海上に落ちている様です。

落雷地点までの距離は遠いらしく雷鳴までは聞こえませんが、ビカビカが繰り返し頻繁に発生しだしたので、そちらの方向に三脚を移動してその様子をiPhoneオリジナルのビデオで撮影しました。

ビデオ撮影時はそれほどぶれはありませんでした。

撮影動画をPC(CyberLink PowerDVD)で再生して雷光発生時の約1秒間のシーンをスナップショットで6枚切り出し。

暗い洋上の空に・・・

突然、雷光が発生し・・・

稲妻は伸びていって・・・

海面へ落雷して周辺は水平線がはっきり見えるほどの明るさに

その後、雷光が発生した雲の上空が明るくなり・・・

光は消えて元の暗い洋上の空へ・・・

以上は、たった約1秒の瞬間に起きた現象なのですが、この現象が何度も繰り返されていて、その様からは、昔見た故 松本零士先生の劇場版アニメ『さよなら銀河鉄道999』に出てくるサイレンの魔女のシーンを連想してしまいました。

映画に出てくるサイレンの魔女ってメーテルが「サイレンの魔女が歌う時、生きとし生けるもの全ての命の火が消える」と言ったセリフの様に、異質のエネルギーを求めて宇宙を彷徨う大暗黒彗星がビカビカ光りながら巨大重力で機械エネルギーを全て飲み込んでしまうっていう設定です。

架空であって実在する物ではないとはいえそれに例えるとは不吉ですが、特別不運な事は何もなく今も順調に安全航海しています。

ちなみに、現在乗船中のフェリーには船橋上部に避雷針が設置されており、もし船に落雷があっても着雷と同時に鋼鉄の船体外板から海面にアース(地絡)させる仕組みになっているので船体が損傷するとか船内にいる人への影響は無いとの事で安心しています。